第四十六号となる今号では、神倉神社をご紹介します。
今号はのりかがご案内を担当いたします。
月替わりの日(今月は立春)にアップしています。
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◎神倉神社(かみくらじんじゃ)
◎場所
和歌山県新宮市神倉1-13-8
◎交通機関
新宮駅から徒歩15~20分
熊野速玉大社からも徒歩10~15分
◎神倉神社とは
熊野速玉大社の飛地境内摂社。
日本書紀にも神武天皇が東征の際に上った天磐盾として
記される、由緒ある神社です。
538段の急な石段を上った神倉山山頂にあるご神体、
ゴトビキ岩と呼ばれる巨石が有名。
ゴトビキは南紀の方言でヒキガエルのことだとか。
◎御祭神
高倉下命(たかくらじのみこと)、天照大神
公式サイト:http://kumanohayatama.jp/?page_id=18
◎訪問日記
神倉神社を訪れたのは2回目。
実は、初めて参拝したときは何も予備知識がなく、みそぎ神事「お燈まつり」が行われる2月6日でした。
「お燈まつり」は県指定無形文化財でもある修験儀式で、白装束の上り子といわれる祈願者が新年の御神火を灯した松明を手に、538段の石段を駆け降りるもの。
この当日のみ、女性は入山禁止です。
いつか石段を上って参拝したいという願いが、6年越しで叶ったのが去年、2012年12月31日の大晦日。笑
大晦日、元旦での熊野三山参拝をした私は、新宮駅で大きな荷物をロッカーに入れ、レンタサイクルで神倉神社を目指すことに。
新宮には熊野速玉大社とこの神倉神社、そしていくつか小さな神社や観光スポットもあるので、駅前の観光センターでレンタサイクル利用が便利です。
神倉神社は新宮駅から約1キロほどで、自転車なら5分くらい。
朱色の可愛らしい太鼓橋を渡ると、神倉神社のご神域です。
大晦日だからか、境内はひっそりしていて、地元の方らしいお父さんと小さな息子さんが、
石段を駆け足で上って行かれました。
もしかして「お燈まつり」の練習なんでしょうか。
私もいよいよ鳥居をくぐり、「鎌倉積み」と呼ばれ源頼朝が寄進したとされる、美しく急な石段を上ります。
最初のほうはかなり急な石段も、中腹からは緩やかに。
他に人がいないせいか、私は10分程度で上れました。
ただ、ヒールのある靴や重い荷物を持ったまま上るのは絶対におすすめできません。
私が参拝したときも前日の雨でかなり石段が滑りやすかったし、つかまる場所もないので危ないです。
上りきると神倉神社のご神体、ゴトビキ岩が目に飛び込んできます。
こんな山頂にどうやって、と思う不思議なバランスでそびえたつ巨石は、熊野三所権現が降臨したとされるもの。
ゴトビキ岩はひとつではなく、大きな岩盤の上にいくつか寄り添った巨石群で、圧巻の眺めです。
空の色に映える美しい朱塗りの社殿と巨石群のご神体は、あまりに神秘的で心をわしづかみされるよう。
なかなか目を離すことができませんでした。
山頂からは新宮の街、そして熊野灘が一望でき、天上のご神域といった幻想的な空間に浸るひとときです。
熊野詣でをされる方は是非、神倉神社も参拝なさってみてください。
◎周辺情報
神倉神社から駅へ向かう途中で、新宮市街地にある「浮島の森」に立ち寄ってみました。
国の天然記念物に指定される「浮島の森」は、名前のとおり、島全体が沼に浮かんでいる不思議な森。
植物が積み重なった泥炭でできたこの島は、沼水面の昇降によって島も昇降するのだとか。
南方と北方の植物が共生する珍しい森だそうです。
総面積はおよそ5000平方メートル、生い茂る植物をかきわけながら、木の橋づたいに森を散策できるようになっています。
入場料100円。
鳥の声を聴きながら5分ほどの散策、なかなか楽しめました。
text by のりか